令和5年5月7日、甑倒し(こしきだおし:蒸米の作業が終わること)となりました。

5月7日、昨年より3週間遅い甑倒しとなりました。当日、掛川市はあいにくの大雨となりましたが、和釜や甑、洗米機、放冷機など、蒸米工程の設備や道具類の清掃、片付け作業を行いました。

甑(こしき)とは酒米を蒸すための大型の専用蒸篭(せいろ)のことで、「甑倒し」はこの蒸篭を倒して仕舞うことを指し、お酒の仕込みで言うと、醪(もろみ)に蒸米を投入する段階までの作業がすべて終了したという事になります。

弊社では毎朝6時からお酒の仕込みを開始しますが、甑倒しの後は朝の仕事がなくなります。まだ皆造(かいぞう:全ての造りを終えること)まで約1ヶ月ありますが、少しほっとする瞬間です。コロナ初年度は弊社にとって異例の2月に甑倒しだったので、少しずつですがコロナ禍脱出を実感しています。

とは言え、日本酒の国内消費量はコロナ前までは戻っていません。爽やかな初夏の夕、キリッと冷やした日本酒で、ぜひ日本の夏の涼を感じてください。

100度以上の乾燥蒸気を吹き上げる和釜から甑の部分を分離しての分解清掃。

甑内部を清掃する蔵人。こうして見ると、とても大きな蒸篭であることが分かります。

大雨の中の清掃作業。仕込み期間中、このスペースは洗米場として使われています。

蒸し米を冷風で冷ます放冷機も分解清掃。秋の酒造り開始までしばしの休息です。

清掃の終わった甑を和釜にセット。ビニールカバーを掛けて秋の仕込みの始まりを待ちます。