5月29日に皆造(かいぞう:全ての造りを終えること)となりました。

5月29日、今期も無事に皆造となりました。甑倒しから約一か月、今期の仕込み分を皆造り終えた日を「皆造(かいぞう)」と言います。今期はここ20年間で最も遅い皆造となりました。皆お疲れ様でした。

日本酒造りは麹や酵母といった生き物たちや、米や水、気候(気温・湿度)といった自然からの賜りものによって造られます。

ですから、各地の酒蔵で造られる地酒が、最も自然環境の影響を受けやすいお酒だと言えるかもしれません。昨今の地球温暖化問題は、米の育成だったり、豊富な水資源だったり、麹菌や酵母の活動に大きな影響を与えかねません。

こうした年々変化する気温や酒米の具合など、その年ごとの酒造条件に対応するためにも、酒造りの基本を忠実に守ることが大切です。その一つが酒造器具や機器、蔵内の徹底した洗浄や清掃です。

日本酒造りには、洗いに始まり洗いに終わるという言葉がありますが、蔵内を清潔に保ち麹菌や酵母が活動しやすい環境を整えておく。今期の酒造りを終えたばかりですが、そういう意味では秋の酒造りに向けての準備が始まっているとも言えます。

ともあれ、今期も無事に皆造を迎え、少しホッとできることを皆で祝いたいと思います。